このたびの東北地方太平洋沖地震などの被害に遭われた方には、心よりお見舞い申し上げます。
震災の被害状況や原発の二次災害など、現在の予断を許さぬ状況については今さら私がここに書くまでもありません。このコラムを書いている窓の外は真っ白な吹雪。東北の避難所にいるみなさんはどれほど寒い思いをしているのだろうと、想像するだに胸が痛みます。
3月11日。私は電車に乗っていました。窓の外はよく晴れた青空で、車内にはぽかぽかと暖かい陽気が満ち、おばあちゃんたちは賑やかなおしゃべりに興じ、サラリーマンはこくりこくりと船を漕ぎ、私も電車に揺られるうちにとろとろと睡魔が訪れて、まったくのどかな午後でした。
突然、電停ではない場所で電車が止まりました。無線で何やら話していた運転手さんが「ただいま地震がありましたので緊急停止いたします」と車内アナウンスをするまで、車内の誰ひとりとして地震に気づきませんでした。ケータイで地震情報を確認したところ「宮城沖」「震度7」という文字が。うわあ大きいな、とは思ったものの、9日にも宮城沖で震度6の地震があったばかりでしたから、きっと大丈夫だとタカをくくっていたのです、そのときまでは。
やがて電車は何事もなかったかのように動きだし、私は打ち合わせ先に向かいました。そこで落ち合ったディレクターから「出産で仙台に里帰りしている妻と連絡がとれない」と聞き、やっと事の重大さを知ったのです。
私は移動中で体感しなかったものの、札幌もかなりの揺れだった今回の地震。打ち合わせ会場は22Fのレストランだったため現場のもかなり混乱したらしく、打ち合わせは延期になりました。その知らせを受けるまでの間、ディレクターはずっと仙台の奥さんに電話をかけ続け、30分ほどしてようやくつながりました。その後の通信断絶状況を考えると、彼はたぶん運がよかったのでしょう。奥さんの実家も室内はメチャクチャだけど赤ちゃんともども無事とのことで、互いに喜びあって別れました。
しかしそのあとはみなさんご存じのとおり。時間が経つにつれ恐ろしい現実が次々に明らかになっていきました。
いま被災地では、食糧も医薬も輸送手段も断たれて孤立しているエリアがたくさんあります。毎日ツイッターを見ていると、現地の被災者が「このままでは餓死してしまいます」「助けてください」と悲痛な叫びをあげています。報道機関が足を踏み入れないために報道されなかったり、ガソリン不足で車両が機能しなかったりで、救援物資がちゃんと届いていないようなのです。
「ドレカ」はクルマのある生活の楽しさを広げるサイトです。そこでこんなことを言うのは的外れかもしれません。でも、今だけは言いたい。
しばらくの間、クルマを使うのは必要最低限にしませんか。道内各地でもガソリンの給油制限が実施されています。被災地以外の私たちができることをちょっとずつ実行しませんか。いつもクルマで行くスーパーに歩いていく、ムダなアイドリングはやめてエコドライブしてみる、週末のドライブは桜の季節までとっておく、etc. etc.少しでも多くのガソリンが被災地に回るよう、ちょっとだけ発想を変えてみませんか。そして、いつかこの国が元気になるころには新しいクルマでどんな場所へ行って何をしようかな、としばし夢を描いてみませんか。義援金を送ったり、計画停電や節電に対応したり、被災地以外に暮らす私たちが、被災地の方々のためにできることはいろいろあります。加えて、夢を描くこと、夢に向かって日々の経済活動を止めないこと。それもまた、この先の復興に向けた有形無形の力になると思うのです。
1人でも多くの方の命が救われるよう、1日も早く復興に向けて動きだせるよう、心から祈っています。
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