四番街まつりは御神輿は「すすきの囃子・響乃会」の祭り囃子で始まる。
その後伊夜比古神社の神主さんが登場。祝詞をあげていただいたのち、御神輿および四番街商店街のエライ人々がお祓いをしていただき、厳かに御神輿は駅前通りパルコ前へ。
なんとなく、という感じで何人かの男性が御神輿のそばに近づく。祭好會のいちばんエライ人が御神輿を載せてあるウマの上に乗り、拍子木をカーンと打ち鳴らす。それを合図に「よーッ!」と一本締めが行われた刹那、御神輿がぐぐッ! と担ぎ上げられ、いよいよ宮出。
「オイサ!」「オイサ!」のかけ声とともに神輿がこまかく上下し、徐々に進んで行く。新参者はどうすればよいのかわからず、そばを歩きながらおろおろするのみ。すると「ほれッ! あんたも入ンなさい!」と押し出され、あわわわ、と担ぎ棒にとりついた。
ところがですね、たまたま入った場所が前後に背の高い男性がいたもんだから身長が合わず、担ぎ棒が肩から浮き上がったまま。背伸びしてもどうにもならず、うーむどうすればよいのだ、でもこれならラクだなあ、なんて考えているうちにどんどん人が入れ替わり、徐々に肩が合ってきた。おっ、担いでる感が出てきた♪と思ったのもつかのま、突如激しく上下しはじめた神輿の担ぎ棒がガンガンと肩の骨を打ち付けてきた。いたたたたたーーーーッ! この上下の動きに自分の動きを合わせないと肩ガンガン地獄から逃れられない。しかし突然の事態にパニックになったカラダはいうことをきかず、リズムは乱れっぱなし、肩ガンガン地獄は続きっぱなし。ついに耐えきれず離脱。はあはあはあ。
一巡目は駅前通りをススキノまで練り歩き、Uターンしてコスモ前で終了。しばしの休憩。じんじんする肩を押さえて呆然とする新参者たち。御神輿を担ぐのって、端で見ているより一万倍も難しいのだ。
休憩が終了して二巡目がはじまった。さっきは左肩で担いだから、今度は右肩で担いでみよう。と思ったが結果は同じ。上下のリズムがわずかに乱れたが最後、担ぎ棒は容赦なく肩をガンガン打ち付けてくる。涙目になって御神輿を出るとすぐに「ここ空いてるから入ンなさい!」と指令が飛ぶ。出たり入ったりしているうちに、気がつくと最先頭に来てしまった。ここは神輿のハナ、文字通り華の立ち位置なのだとか。祭好會の松田さんが目の前でいろいろ指導してくれるのだが、肩にかかる重さが今までの比ではない。最先頭って、全体が前に進もうとする力がすべて結集するんですね。経験したことのない重みが肩にのしかかり、担ぎ棒の角がくいこみ、痛さ辛さ苦しさで思わず顔がゆがむ。「苦しそうな顔すンなッ! 笑って笑ってッ! 楽しく担いでッ!」とどやされるものの、笑うどころか失神寸前。「よしよし、出ていいよ」と言われたときは松田さんが神様に見えた。
結局こんなことを繰り返して1日目が終了。カラダをひきずるように帰宅し、泥のように眠って2日目。まっくろに内出血した肩を押さえつつ所定の場所へ向かうと松田さん、「朝起きたら『行きたくない』と思ったんじゃない」と笑われた。
いえね、確かに前日は大変だったんですが、肩はほんとに痛いんですが、なんなんでしょうね。「2日目はもっと上手に担ぎたい!」という気持ちがムラムラと沸き上がってきたのです。マゾのように。
で、実際担いでみると、さすがに前日の肩ガンガン地獄を学習したらしく、リズムの取り方をカラダが覚え始めた。うまくリズムに乗ると、担ぎ棒がちゃんと肩におさまっているのに、ふっと軽くなる。それがすごく気持ちよくて「オイサ!」「オイサ!」のかけ声も自然に元気が出てくる。ああ、これって一体感ってやつですか? 「神輿はハマるとやめられない」ってやつですか?
そうこうして最後の宮入を終えたとき、なんとも晴れ晴れとした気分になっていた。祭り終了後の直会(なおらい=慰労会)のラムしゃぶとビールが進んで進んでこたえられませんでした。
札幌で生まれ育った私はマチへの帰属意識が薄く、国内外を旅しては見知らぬ土地の文化をうらやみ、憧れ、札幌には継承する文化もマチを盛り上げようとする気概もない、と思い込んでいた。
私はこのマチをなんにも知らなかったのだな、と恥ずかしく思った。
このマチには、マチを盛り上げようとする人々が、ひとつの目的に集い、盛り上がれる人々がいるんだな、と改めてうれしく思った。札幌に古くから暮らす人々が都心部を「マチ」と呼ぶのは、マチに対する愛情の顕われなのかもしれません。私も、一緒に御神輿を担いだ人々も、そして御神輿を笑って見送ってくれた人々も、みんなマチの一員なんだよな。みんなみんなマチが好きなんだよな。
祭りの本来の意味は神社に帰依するものだとしても、四番街にはマチの神様がきっといる。じんじんするなんだか素直に信じられる気がしました。
最後の写真は祭好會HPからお借りしました。今回はほんとにお世話になりました。ありがとうございました!
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