142 *贅沢のススメ

2010年02月02日 12:12|クルマ食べあるき

 忙しくても二日酔いでも、お食事のお誘いをいただくと何はさておきホイホイ出かけてしまういやしんぼの私。
 ある土曜日の昼下がり、ランチのお誘いをいただいて伺ったのは札幌・円山にあるフレンチレストラン「コートドール」。北海道神宮に続く表参道にほど近い住宅街の中に佇む、札幌の老舗レストランです。
 まずはシャンパンで乾杯。かぶのポタージュからスタート。

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 茶托に乗った茶碗のような器に注がれたスープを、スプーンなしでそのままいただきます。んー、やさしい味。
 ちょっとボリュームのある前菜を、ということで、次にやってきたのは真ダチのパイ詰め。

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 薄くスライスしたじゃがいもをまるく並べてカリカリに焼いたものが蓋になっていて、それを外すと中から真ダチが登場。ほどよく火が通ってふんわりとした食感が、じゃがいものカリカリ&パイのサクサクと合ってとってもおいしいです。
 この日同席した方はワインに精通しておられるので、チョイスはおまかせ。真ダチに合わせたブルゴーニュの白は、花のようなふくよかな香りとこっくりとした味わいでたいへんおいしゅうございました。
 このワインは白ながら豚肉にも合うとのことで、メインは富良野産もち豚の炭火焼。

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 最近はブランド肉も登場している道産豚肉。なかでも「もち豚」はその名の通り、もっちりとした歯ごたえが楽しめる。炭火でふっくら焼き上げた豚肉にカラフルな野菜がいっぱい添えられて、ライトな感覚で食べられます。
 白ワインをまだ飲みきらぬうちに、ニュージーランド産メルローのグラスが登場。野菜たっぷりのヘルシーなメインに、重すぎないメルローがよく合う。
 ヨーグルトのシャーベットで口中をさっぱりさせたのち、飲んべえの私を慮ってくださったのであろう、チーズの盛り合わせが登場。

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 ワインはソムリエおすすめの「エキノコックス」。なんともブラックなネーミングだが、ピリッとスパイシーな飲み口は“危険なくらいおいしい”ってことでしょうかね。
 いくつか用意されたデザートから選んだのは、マンゴームースとヨーグルトシャーベットにベリーのソースを添えたもの。こちらのデザート担当は女性パティシエなのだそうで、かわいいビジュアルはさもありなん、という感じ。

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 甘いモノは苦手な私だけれどマンゴー大好き。ヨーグルトもベリーも大好き。パリパリとした食感のほろ苦いオレンジスライスがいいアクセントになり、あっという間に完食。
 カフェとともに供される焼き菓子やゼリーの小菓子を食べきれずに残してしまったところ「お持ち帰りください」と包んでくださった。おー、なんという気配り! たっぷり3時間近くかけて会話と食事を楽しんだ贅沢な昼下がり。いやいや日頃は質素に暮らしているんですよ私。たまにはいいじゃないですか。

 それにしてもしみじみ思った。「コートドール」は料理とワインもさることながら、とにかく接客サービスがすばらしいのですな。「コートドール」は札幌のレストランの中でもハイグレードなお店だし、ナイフとフォークとワインといろんなものがぞろぞろ出てくると、私のようなシモジモの人間はとかく緊張してしまいがち。ところが「コートドール」のサービスはまったく堅苦しくなく、お客をまったく緊張させないのです。とりわけ支配人にしてソムリエの福田さんはさわやかなイケメンで終始にこやか(あまりにも若くカッコいいので、あとで支配人だと知って驚きました)、ほどよくカジュアルな距離感と気取らない語り口でサービスしてくださり、わからないことを質問すれば丁寧に応えてくださり、最後までリラックスして食事を楽しみ、会話を楽しむことができた。
 世の中には私語禁止を強いるラーメン屋だの、食べ方や薬味を入れるタイミングまでいちいち指導する蕎麦屋だのも存在する。そんな店が「名店」ともてはやされることもある。でもみんな、それをほんとにおいしいと思っているのかな? そこで過ごす時間を幸福だと感じているのかな? ほんとに良い店って、お客が心から楽しめる時間を提供できる店なんじゃないのかな。その意味で「コートドール」がグルマンの方々に賞賛される理由がわかった気がしました。
 食べることを単なる栄養摂取と考えるならば、どこで何を食べたって同じだろう。でも、いつもよりちょっと贅沢なレストランでゆっくりと時間をかけて食べるひとときは、栄養以上の何かで心を満たしてくれる。高級レストンから帰るとき、人は誰しもちょっとしぐさが優雅になっている気がするのは気のせいでしょうか。
 イケメンソムリエの心地よいサービスにふれて、女は日頃忘れがちなおのれの女子力を再生し、男はソムリエの立ち居振る舞いに紳士の極意を学ぶ。なにかと節約節約の時代だけれど、ごくたま~にでいいからほんとうに上質なサービス、ほんとうにおいしいものを味わう経験は、人を深く大きく成長させてくれる気がします。
 さてさて、もうすぐバレンタイン。いつもよりちょっとおしゃれして、大切な方といっしょに贅沢な時間を過ごしてみてはいかがでしょう。

● コートドール
札幌市中央区宮ヶ丘1丁目
 011-614-1501
ランチ 12:00~14:00(L.O.)
ディナー 18:00~20:30(L.O.)
※ 平日なら2,000円からというリーズナブルなお値段でコースランチが楽しめます。

 

佐々木美和

佐々木美和

札幌在住のコピーライター。運転免許はもちろんゴールド(ただしタイヤ交換すらできません)。近ごろクルマとは週末のお買い物や旅先のレンタカー、助手席もしくは後部座席でライトなおつきあい。ですが、クルマのお出かけは大好きです。

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