聖地とおぼしき竹林を抜けると忽然と社が現れた。今回の旅の大きな目的地のひとつ、石上神宮(いそのかみじんぐう)だ。
石上神宮は飛鳥時代の豪族である物部氏の氏神として、日本最古の歴史を持つ。大和政権の武器庫の役割も有し、須佐之男命が八岐大蛇を退治した天羽斬剣(あめのはばきりのつるぎ)や、日出ずる国の霊剣・草薙剣(くさなぎのつるぎ)、『古事記』にも登場する天日槍(あめのひぼこ)、七支刀(ななさやのたち)などの神宝が納められた、のだそうな。そう聞くせいか、どことなくキリッとシャープな、凛とオトコマエな空気が満ちているような気がする。
どういうわけだか野生化した鶏が境内を我が物顔に歩き回っている。いわく、神の使いなのだとか。人間が近づいても逃げるどころか、お構いなしにくつろいでいらっしゃる。
この鶏にちなみ、こんなおみくじが売られていた。
陶の鶏の中におみくじが入っているのです。かーわいいね。では運試しにひとつ購入してみましょう。
結果は……小吉。
見なかったことにしてすばやく石上神宮をあとにする。
延々と続く奈良の田舎道を歩く。ひたすら歩く。なにせクルマが入れない山道なので、ドレカに書くのはしのびないなあ、と思いつつ黙々と歩く。
夜都伎神社(やつぎじんじゃ)。
拝殿の屋根が藁葺きというのが珍しい。
さらに歩く。柿が鈴なりになっている。
道すがらには無人直売所がたくさんあって、地元でとれた果物や野菜が1袋100円くらいで売られている。
ナタ豆って初めて見た! たしか福神漬に入っていたような気がするけれど、近くで農作業をしていたおじさんは「煎ってお茶にしますのや」と教えてくれた。
かんかん照りの中てくてく歩いて汗だくだく。喉が渇いたのでみかん1袋¥100購入。柿もありましたけど、私、柿キライなんです。
歩きながら皮をむいてポイと口に入れると、すがすがしい酸っぱさに思わず「おいしい!」と声が出た。ペットボトルのお茶なんてなかった古代にこの道を歩いた先人たちも、こうしてみかんで喉をうるおしたのかもしれない。
みかんで水分とエネルギーを補給して、ふたたび歩き出す。すると恐ろしいものに出くわしてしまった。
たぶん案山子と思われる。が、このセンス……気に入った!
なんだか、だんだん奈良が好きになってきました。
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