悪縁切りと良縁結びで有名な安井金比羅宮を逃げるようにあとにして、八坂神社へ。
別名“祇園さん”。場所柄だろうか、華やかで明るい気を感じる神社ですな。厄除けや疫病退散、商売繁盛のご利益があるそうな。境内には美の神様として知られる「美御前社(うつくしごぜん)」という摂社があり、祇園の舞妓はんや芸妓はんも訪れるという。しまった。ちゃんとお祈りしてこなかった。アラフォーともなるとコッチのお願いはないがしろになってしまっていけない。
御朱印もいただきました。ちゃんと「祇園社」と書いてあります。
八坂神社を出て四条通を鴨川方面へぶらぶら歩く。祇園で夕食を食べたいと思っていた店を探しながら観光客に混じってアーケードを歩いていたら、すぐ後ろから若い女性の会話が聞こえてきた。
「まったく京都のクルマはずうずうしいわ~」
「ほんまやな。人が歩いてても平気で割り込んでくるで」
「さっきなんてスレスレやってんで。ムカつくわ~」
関西弁から察するに、どうやら近畿圏の他県から観光に来たふたりであるらしい。彼女たちが大阪か奈良か和歌山か知らないが、道産子の私は少々異なる感想を抱いていた。
広~い道路が当たり前の北海道に比べると、京都の道は信じられないほど狭い。くねくねと曲がりくねった、クルマ1台通るのがやっとの小路なんてザラにある。ひとくちに小路と言っても京都ですよ。ひとりふたりではなく観光客がダンゴになってぞろぞろと歩いているのだが、クルマはイライラしたふうもなく、歩行者が気づいて道の脇によけるまでそろりそろりと後ろについてくる。そして歩行者が路肩に一列に並ぶと、歩行者の脛すれすれ10cmくらいをかすめて、躊躇することなく涼しい顔でするすると通り過ぎていく。これってある意味すごい運転テクニックではないか? と感心するほど絶妙な距離感だ。
京都滞在中、私もこんな場面に何度か出くわしたが、これだけクルマと人が肉迫していながら、怖い思いをしたことは一度もなかった。ついでに言うと、背後からクラクションを鳴らされたことも一度もなかった。もしも北海道なら、イライラとクラクションを鳴らし、クルマの中で「のんびり歩いてんじゃないよ」と悪態をつくドライバーは少なくないのではなかろうか(自分を含む)。
「北海道のドライバーはマナーが悪い」とよく言われるが、私たちは広い道路に慣れきっているがゆえに「歩行者優先」という基本をつい忘れてしまいがちだ。京都みたいにつねに観光客がぞろぞろ歩いているのが当たり前になると、ドライバーは「すんまへんな、ちょっと通してくれまっか~。あっ、大丈夫大丈夫、ぶつからないようスレスレで行きますさかい、安心してや~」という精神が醸成されるのかもしれない。
白塗りの舞妓はんを乗せたタクシーが目の前を通り過ぎ、夜の祇園に消えていくのを見ながら、そう思った。
夕食のあと、四条大橋を渡って錦市場へ。新京極と錦市場の境目に、それこそクルマが入ることができない神社がある。
錦天満宮。“天神さん”の名が示すとおり菅原道真を御祭神としており、学問や商売のご利益があるそうな。
両脇のビルの壁に鳥居が突き刺さってます。「ここに祀りたいのッ!!」といわんばかりの無理矢理な感じが微笑ましい。
提灯がにぎやかに照り映えるさまは、活気あふれる市場のロケーションによく似合う。
牛は天神さんにゆかりのある動物として知られている。道真公が亡くなられたとき、牛車にご遺体を乗せて運んでいたら牛が動かなくなったので、そこを埋葬の場所とした、とか。この手の像はえてして「悪いところをなでると良くなる」と言われているので、つるつるの頭をしつこいほどナデナデしてきた。どうかご利益がありますように!
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