さて、京都の神様から下されたずぶ濡れの試練に立ち向かい、次の神社をめざして雨の中に旅立つ私。不思議じゃあーりませんか、晴明神社の鳥居を出たとたん、雨は急に小降りになった。「合格やで~」という神様の声がチラつく。
京都の繁華街、四条河原町から花見小路に入る。
紅殻格子に軒下の赤提灯、しとしと雨に傘さす人影も風情がある。京都に来ました~気分全開になりますな。
建仁寺の門を通り過ぎると、くねくねと入り組んだ路地が続く。地図を見ても道に迷う私、同じ迷子になるなら野生のカンで行ってしまえ! と歩いていたら、なんとめざす神社の鳥居が目の前に! 神様ありがとう!
安井金比羅宮。
ここは悪縁を切って良縁を結ぶ神社として有名なのだとか。しかも単なる男女の縁にとどまらず、病気やお酒、タバコ、ギャンブルなど一切の悪縁を切ってくださるという。へえー。
まず本殿に参拝。恋愛のみならず仕事も良縁が大事。とくとお願いをしたあと、びっしりと掛けられた絵馬を好奇心から覗いてみる。
「今年こそ良縁に恵まれて結婚できますように」
「●●高校とのご縁が結ばれて合格できますように」
といった微笑ましい絵馬の隣に
「○○○○(男・実名)と△△△△(女・実名)の縁が切れて○○○○が二度と浮気しませんように」
「◇◇◇(女・実名)が××××(男・実名)の前に二度と現れませんように」
などという恐ろしい絵馬がひとつふたつのみならず、ずらり。
ひぃぃぃ……怖い。
さらに境内を進むと、何やら異形のモノが鎮座している。
これは「縁切り結び碑(いし)」という巨石で、周りには絵馬同様に願い事を書いたお札がびっしりと貼りつけてある。石の真ん中にはトンネルがあいていて、表から裏へくぐると悪縁を切り、裏から表へくぐると良縁を結んでくれるのだという。へえー。
それにしてもなにしろこの日は雨だから、呪いも願いもこもごものお札が雨に濡れそぼって無数に貼り付けられているさまは少々怖い。でもまあ、悪縁が切れて良縁が結ばれるならありがたいよね。せっかくだから私も祈願していこう。
ちょうどこのとき境内にいたのは私のほかに、若い女の子がひとり、少々ガラの悪い若者(男2・女1)の3人組。若い女の子は本殿で参拝したあと願掛けの護摩を奉納し、絵馬を掛け、さらにお札に向かって真剣に願い事を書いていた。ちょっと申し訳ない、と思いつつ横からチラリと見ると「良縁」「彼氏」という文字が見えた。うーん、かわいい。神様、どうぞ彼女の願いを聞き届けてくださいませ。
私はなんて書こうかなあ、と思案していると、ガラ悪3人組の男女ふたりが神社の境内に似合わぬダミ声をあげながらトンネルをくぐっている。残りのひとり、金髪の若い男はまず本殿でみっちりと時間をかけて参拝し、さらに絵馬を購入して何やら書き付け、さらにさらにお札に向かって熱心に書き付けている。これまたゴメンネ、と思いながら横からチラ見すると、
「警察との縁が切れて、家族3人で平和に暮らせますように」
………こ、怖いよーッ!!
顔も見ずにすたこら逃げ出した私。おかげで安井金比羅宮の御朱印をいただくのをすっかり忘れてしまったではないか! く、悔し~い!
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