97*クルマを買いにスーパーへ

2009年03月06日 14:41|クルマ聞きかじり

 先日テレビ朝日の『報道ステーション』を観ていたところ、こんな特集をやっていた。

「松岡修造コーナー 過疎地で大繁盛! 24時間営業巨大スーパー」
http://www.tv-asahi.co.jp/dap/bangumi/hst/feature/detail.php?news_id=6079

 

 松岡修造コーナーというタイトルもスゴイけど、取り上げられていた内容もスゴかった。お風呂に入る支度の途中で半裸のまま、じーっと見入ってしまいました。
 このスーパー、鹿児島県阿久根市にある「A-Zスーパーセンター」というお店なのだが、人口2万4000人あまりの阿久根市にあって1日1万7000人が訪れるという。そして特筆すべきはその品揃え。生鮮食品や生活雑貨はあたりまえ、客が欲しいものはなんでもある。
 なんでもって言ったって、人口2万人ちょっとの町でしょ。そりゃ言い過ぎじゃないの? なんて声も聞こえてきそうだが、ほんとうになんでもあるんです。
 タンス? あります。
 仏壇? あります。
 かまどもあります。男性用Tバックパンツもあります。ついでにクルマもあります。
 あっ、サラッと言いましたけど聞こえました? もう一度言いますよ。クルマも売っているんです。プラモデルじゃなくて、ほんもののクルマ。しかも年間約3,500台を売り上げるというから驚くじゃありませんか。
 松岡修造が取材をしているとき、ぶらりと(!)クルマを買いにきたおじいちゃんがいて、マイクを向けるとこう言った。
「だってこんなところじゃさぁ、クルマがなかったら生きていけないもの」
 阿久根市は高齢化が進む過疎の町。客層の大半を占めるお年寄りは、買い物は一カ所で済ませたいと望んでいる。ならばダイコンもモモヒキも位牌も、ついでクルマも置いてあげよう。それもお年寄りが扱いやすくて価格も手頃な軽の中古車を中心に。なーんてことしているうちに、1997年の開業からあれよあれよという間に取扱商品35万品目を超えてしまったというから、これをお客様第一主義のカガミと言わずして何と言う。ほかにもクルマのないお年寄りには送迎バスで玄関まで荷物を運んであげたり、高齢者と体の不自由な方にはレシートと引換に消費税のキャッシュバックをしてあげたりといったサービスも展開。高齢者を中心に絶大な支持を集めて、開業以来売上げは右肩上がりだという。いやはやスゴイねぇ。
 苦境が続く大手自動車メーカーは、近年こぞって「エコ」をテーマに新しいクルマをどんどこ売り出しているけれど、その一方で生活の足としてのクルマを切実に求めている人もたくさんいる。その点リーズナブルな中古車というのはやはり庶民の味方なのですよね。おしゃれなデザインもワイドな室内もスピードもいらない、操作が簡単で誠実に走ってくれて、年金生活でもまかなえる価格と燃費があればいい。お年寄りが欲しいのは、きっとそんなクルマじゃないかな。大手自動車メーカーさんもA-Zスーパーセンターのひそみにならって、お年寄り目線の“シニアカー”を開発してみてはいかがでしょう。ひょっとしたら不況の闇を照らす一条の光となるかもしれません。

佐々木美和

佐々木美和

札幌在住のコピーライター。運転免許はもちろんゴールド(ただしタイヤ交換すらできません)。近ごろクルマとは週末のお買い物や旅先のレンタカー、助手席もしくは後部座席でライトなおつきあい。ですが、クルマのお出かけは大好きです。

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