うららかな昼下がり。昼食がてらぶらぶら札幌駅前方面へ歩いていき、ビッ○カメラ東口に面した南向き一方通行道路の信号待ちをしておりました。
ここは札幌駅バスターミナルの発車口でもあり、高速長距離バスや市内路線バスがごうごうとうなりをあげながら次々に吐き出されていく。この道路は都心部に向かう一方通行なので、平日の昼間はかなり込み合う。そこに大型バスの発車時刻が重なると、図体のでかいバスが数台道路をふさぎながらクルマの流れに乗るのをしばし待つかたちになるわけです。その日もそんな“待ち”のバスが数台続き、信号が黄色に変わる刹那に最後尾の1台が左折しようとアクセルを踏んだ。
ところが、バスはびくとも動かず。そう、 “待ち”の状態の間に雪の轍に後輪がはまってしまったのですね。
バスの運転手さんは渾身の力でアクセルを踏むが、後輪はうなりをあげて空回りするのみで、前にも後ろにも動かない。ほどなく信号が変わったものの、図体のでかいバスが道路の真ん中にナナメに停止しているため、西→東のクルマの流れがせきとめられている状態。そうしている間にもバスターミナルからどんどんバスが発車してきて、あたりは空回りバスを中心としたダンゴ状態になってしまった。ウンウンうなり続けるバスの後輪に運転手さんのアセリがのぞく。彼の心中を思うとなんとも気の毒だが、歩行者もほかのクルマもただ見守るしか術がない。だってそうでしょう。ふつうの自家用車ならみんなでオシリを押してあげるという手もあるが、相手は大型バス。朝青龍に3歳児が張り手をかますようなもんです。
歩行者のみなさんがコトのなりゆきを気にしながらも忙しそうに立ち去ってしまう中、空腹も忘れてジロジロ観察し続ける私(さすがに写真は撮れませんでしたけど)。さて、このあとどうなるのだ?
と、そこに救世主が降臨した。空回りバスの後ろに1台の回送バスが止まり、運転手さんがさっそうと降りてきた。手には極太のチェーン。それを後輪の下にサッと差し込み、空回りバスの運転手さんに合図を送った。ふたたびアクセルを数回踏むと、バスはチェーンを踏みながら巨体を左右に大きく揺らし、やがてめでたく轍を脱出。ふたりの運転手さんは窓越しに友情の挨拶を交わしあい、あたりのクルマはスムーズに流れだし、都心部は穏やかな活気に満ちた昼下がりの風景に戻っていったのであった。
ぱちぱちぱち、と白昼の脱出劇に心の中で拍手しながら、それにしても、と私は思った。おそらく空回りバスにもチェーンなどの緊急用装備は積み込まれていたのであろう。が、想像するにあの運転手さん、渋滞を引き起こしてアセったあまり、アタマがそこまで回らなかったのではなかろうか。やはり北海道のドライバーたるもの、万全の冬道装備と冷静な判断力が必要であるなあ。もとより判断力も技術力も問題アリの私は自主的に冬季運転停止中であるが、はて、わが家のクルマにはチェーンなどの冬道装備って積んであったかしら?
ちなみに、石狩および空知地方道路防災連絡協議会が出している『石狩・空知エリア版 冬道ドライブの心構え』に、「もしもの時のために車に常備しておきましょう」と、下記の装備リストが掲げられている。さて、お宅のクルマにはいくつ積まれているでしょう?
□ タイヤチェーン
□ 工具
□ 発煙筒
□ 旗(目立つ色の布)
□ スコップ
□ 滑止用ヘルパー
□ 滑止用砂
□ 牽引用ロープ
□ ブースターケーブル
□ 雨具・手袋
□ タオル・着替え
□ 防寒具(毛布・使い捨てカイロ)
□ ラジオ
□ 懐中電灯(電池)
□ 非常用の水・食料
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