蕎麦と一口に言ってもスタイルはいろいろ。白くて細くて上品な「さらしな」系、その対極的にどっしり太くて朴訥とした「田舎」系、北海道では少ないけれど香り高く淡い緑色が粋な「薮」系などなどありますが、今回訪れた「田舎そば たちばな」はその名に違わぬ“田舎そばの王道”でありました。
清田区真栄の住宅地の中に佇むこのお店、じつは訪れるのは2回目。ただし1回目は長蛇の列であきらめたため、実際に入店するのはこれが初めてなのだ。
のれんをくぐると待合スペースがあり(人気のほどが伺えるでしょう)、そこになぜか野菜の入ったカゴが置いてある。愛想のいい若い女性店員さんいわく「ウチで畑も作ってまして、とれた野菜を少しばかり販売させてもらってるんです」とのこと。ブルーベリー300円、ズッキーニ100円、黒珊瑚きゅうり3本100円……と、どれも安い! おまけに自家製らしくちょっと無骨ながら大きくて新鮮でおいしそう! 一緒に行った義姉が「トマトが売り切れてる……トマトがほしかったのに……」としきりに残念がっていたが、なるほど、すでに入店しているお客さんの何組かがトマトのつまったビニール袋を携えていたから、きっとおいしいんでしょうね。
例によって冷やしたぬきを注文してしばし待つ。「例によって」というのはですね、私は初めての蕎麦屋では冷やしたぬきを注文し、蕎麦はもとより天ぷらの実力を推し量ることにしているのです。
冒頭でも書いたが、まさしく田舎蕎麦の王道。色が黒くて手打ちならではの不揃いな数本が混じった太めの蕎麦はきっぱりと力強く、負けじとすすりこめば口中に蕎麦の香りがどうだどうだと立ちのぼる。好みは分かれるだろうが、私は好きですね、こういういかにも大地で育った的な素朴さとたくましさにあふれる、しっかり食べごたえのある蕎麦。つゆも蕎麦の強さに負けず、だしをしっかり効かせた甘みやや強めの濃い味わいがいい具合に蕎麦にからむ。天かすもパリッと揚がって、いわゆる“花が咲いた”天ぷらを想像させる仕上がりでした。うーん、気に入った!
「たちばな」へ行ったのはお盆の中日。そう、里塚霊園にお墓参りに行った帰りだったのでした。きっとご先祖さまもいっしょに舌鼓を打っていかれたことでしょう。
●田舎そば たちばな
札幌市清田区真栄5条1丁目3-1/011-882-3505
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