52*ザ・ライセンス・ラプソディー

2008年01月22日 02:07|クルマ聞きかじり

 年明けから何やら仕事が立て込んでいる今日このごろ。ある日、打ち合わせに同席したディレクターKさんが「会社まで送りますよ」と言うのでパーキングへ同行した。するとそこには何やらデカくてゴツいクルマが睨みを効かせておった。
080118_1442~0001.jpg  

 ははーん、クルマ道楽なKさん、また新しいクルマを買ったのね。今度はなんていうクルマ?
「ランドローバーの"ディフェンダー"っていいます。もともとはイギリスの軍用車なんですよ」
 ほぇ~っ、よくわからないけどなんだかスゴイや.........ん? 近づいてよく見てみるとコレはもしかして.........。
080118_1442~0002.jpg

 げっ、初心者マーク?!
「そう。2年前に流しちゃった免許、去年の夏に取り直したんです」
 そうだった。この人、忙しさに取り紛れて免許更新を半年以上放置していて「免許なくなりました~」と言ってたっけ。そのときは"更新し忘れて免許失効"という行為があまりにも現実味がなさすぎて、なんとなく聞き流していたのだった。しかし改めて(久々に)黄色と緑のコンビマークを見ると"免許を取り直す"コトの重大さをひしひしと感じるなぁ。
「免許がなくなると不便かなぁと思ってたんだけど、慣れちゃうとタクシーや友だちのクルマで事足りるんで、前に乗ってたクルマを手放しちゃったんです。でも去年の春にたまたまコレを見たら欲しいなーと思って......先にクルマを買って自動車学校に入ったんです」
 Kさんは当年とって38歳。いつもよれよれジーンズに無精ヒゲを生やした風体は一見そこらをウロつく職業不詳の若者風だが(ゴメン)、じつはデザインプロダクションとカフェを経営するバリバリのシャチョーなのだ。ねぇねぇ、シャチョーはどうやって自動車学校に通ったの?
「毎朝早起きして自転車で通いましたよぉ。免許取消になると原付もバイクもすべてがゼロになるんですよ。浪人生みたいでツラかったなぁ。仕事の関係でどうしても時間が合わない講習があって、時間も費用もムダにかかったし、筆記試験も難しいし......最後のほうは"50万でもいい、免許売ってくれ~!!"って真剣に思いましたよ」
 やっぱり最近は運転技術に厳しくなってるんだねぇ。じゃあ十八、十九の若者といっしょに真面目に講習を受けたんだ。
「仕事より真面目だった(笑)。応急救護講習ってあるでしょ。人形を使って心臓マッサージとかするヤツ。あれ、若い子は恥ずかしがってダメなんですよね。でもボクはもうそういう恥を超えちゃってるから"だれか来てくださ~~い!!"とか大声で叫んだりして、真剣に演技したの。そしたら先生に"おっ、キミいいねぇ"ってほめられちゃった。オッサンなのに(笑)」
 わははは、よかったねぇ! オッサンで。でもホラ、免許取消の人には経験を考慮した教育システムになってるとか、なかったの?
「ない。それどころか免許取消の人を対象にした特別講習が加わる。ボクは単純に更新し忘れなんだけど、交通事故を起こして免許取消になった人といっしょに受けさせられるんです。個別カウンセリングで性格分析されて運転傾向の指導をされたり、交通事故の恐ろしさを啓蒙する映画を見せられたり。中に無免許運転で事故を起こした高校生がいて、付き添いのお母さんがずっと泣いてたりして......重苦しい雰囲気でやりきれなかったなぁ。ササキさんも更新し忘れには気をつけたほうがいいですよぉ」
 忘れないよ、ふつう......と私は思うのですが、引っ越しなどによる免許証の住所変更手続きをしていなかったり、長期間の海外滞在などで失効してしまうケースは珍しくないのだそう。しかし救いの道は残されている。調べてみましたところ、失効後6ヵ月以内なら学科試験及び技能試験が免除され、適性試験だけで免許証が交付される制度あり。失効後6か月を超えた場合も、失効後1年以内であれば大型・中型・普通免許については仮免許の学科および技能試験が免除される制度もあるそうです。
 人生はいくらでもやり直せる。免許だって取り直せる......とはいえ、半クラ・S字・坂道発進と数々の屈辱と辛酸をなめたあのツライ日々をやり直すのは、できれば避けたい。みなさま、お手元の免許証をいま一度ご確認くださいませ。

佐々木美和

佐々木美和

札幌在住のコピーライター。運転免許はもちろんゴールド(ただしタイヤ交換すらできません)。近ごろクルマとは週末のお買い物や旅先のレンタカー、助手席もしくは後部座席でライトなおつきあい。ですが、クルマのお出かけは大好きです。

お問い合わせ